台形2条ねじの製作

今週は台形2条ねじの製作がありました。

外径がΦ14でピッチ3、リード6の台形2条の「おねじ」と「めねじ」です。2条ねじを含む多条ねじを弊社で加工する際に問題となるのが、長さと径です。今回は長さは問題なかったのですが、径が小さくてめねじを加工する工具がありませんでした。

台形2条ねじの下穴がΦ11.5くらいですが、最小加工径がこれ以下で、ピッチ3の台形ねじを加工できる工具を、弊社にある各社工具メーカーのカタログからは見つけられなかったので、めねじの刃物はグラインダーで成型して対応しました。今回は刃物成型のご紹介です。

まず、おねじは、市販のピッチ3用の台形ねじチップの背中を削ります。

背中を削った台形2条おねじ製作ようのチップの画像です。
背中を削った台形2条おねじ製作用のチップ

当たり前ですが、ピッチ3の台形ねじチップはピッチ3リード3の台形ねじを加工するように作られているので、リード6の台形ねじを加工しようとすると、チップの背中が当たって、加工できません。なので、背中を削って当たらないようにします。ただ、削り過ぎると折れやすくなってしまいますので、ギリギリ当たらないように削ることが重要です。

次はめねじですが、おねじと違って、台形の形状部分も成型しないといけないので、1工程増やします。

まず、台形の形状部分の型を作ります。今回はワイヤーカットで製作しました。

深さを3パターン用意した台形ねじの型の画像です。
台形ねじの型。深さを3パターン用意しました。

一番左が、台形ねじピッチ3の規格通りの型です。その他に深さを0.25ずつ深くした肩を2パターン用意しました。この型を使って、下の画像のような溝入れバイトから、めねじ製作用の刃物を成型します。

成型前の溝入れバイトの画像です。
成型前の溝入れバイト

台形部分を成型した後、おねじと同じように背中を削ったら、完成です。申し訳ありませんが、諸事情により、めねじ製作用の刃物の画像がありません。

あとで工具屋さんに聞いたら、特殊ねじのタップを1個から製作してくれるところがあるとか、ないとか・・・。
多条ねじの問い合わせは、時々あるので、今後タップの情報も少し集めようと思っています。